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「全ての国の人を包みこむ、あったかい日本」をつくりたい。

やさしい日本語

前回のブログでは

 

日本語教育推進法ってなに?

 

をテーマに、日本語教育の現状や動向についてお伝えしました。




日本語教育の重要性が少しずつ認知されてきていますが、

 

近年、「やさしい日本語」という考え方が注目されています。




みなさんは

 

やさしい日本語

 

ということばを知っていますか?




やさしい日本語」の「やさしい」には

 

易しい」と「優しい」の2つの意味がこめられています。



今回のブログでは、そんな

 

易しい日本語」であり「優しい日本語」でもある

 

やさしい日本語

 

について4点に分けてお伝えします。

 

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〜今回のトピック〜

 

1.易しい」「優しい」とは?

 

2.この考えの成立背景

 

3.どんな考えか

 

4.実際の「やさしい日本語」

 

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1.易しい」「優しい」とは?

 

「やさしい日本語」の「易しい」とは、

 

日本語が苦手な人でも理解しやすいということを意味しています。

 

「やさしい日本語」の「優しい」とは、

 

日本語が苦手な人に配慮しているということを意味しています。

 

つまり、「やさしい日本語」とは、

 

日本語が苦手な人が理解しやすいように配慮された日本語

 

なのです。

 

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2.この考えの成立背景

 

「やさしい日本語」という考え方の背景は、主に3点あります。



言葉の壁のせいで緊急時に情報格差が生まれること

 

やさしい日本語」が注目を集めるきっかけは、阪神・淡路大震災でした。

 

被災後、日本語でも英語でもない言語で発信された情報が少なかったために、日本語も英語も分からない人々は、避難生活にあたって必要な情報が分からず、困っていました。

 

また、普段の生活でも、言語の「やさしくない」環境に、苦労している方は少なくありません。

 

たしかに、公共交通機関の多くは多言語対応が進んでいて「優しい」環境であり、各駅に番号をつけて駅の区別を「易しく」している鉄道もあります。

 

しかし、このことは多くに当てはまるでしょうか?




日本で英語が共通言語になりにくいこと

 

日本語を母語としない人にとって、日本で使っていく言語は何が望ましいのでしょうか?



日本にいる定住外国人を対象として2010年に行われた調査があります。

 

この調査では、母語以外でわかる言語を聞く質問がありました。



この質問に対して日本語と答えた人は62.6%

 

一方で英語と答えた人は44.0%でした。

 

(引用元はこちら→

CiNii 論文 -  言語サービスにおける英語志向 : 「生活のための日本語:全国調査」結果と広島の事例から(<特集>日本社会の変容と言語問題)

 

 

したがって、定住外国人と、日本語を母語として話す人の共通言語としては、英語は不向きであるということがわかります。

 

 

多言語対応が現実的ではないこと

 

それぞれの人の母語で情報を提供することは現実的ではありません。



2014年時点で日本にいる外国人の上位20位の出身国・地域の公用語17言語あります。

 

(引用元はこちら→庵功雄「やさしい日本語ー多文化共生社会へ」P33(岩波新書))

 

他言語への機械翻訳、特に英語以外への機械翻訳がまだ実用の段階ではない現状があります。

 

翻訳にあたって機械が実用的に使えないとなると現実的に人間が地道に翻訳していくしかありません。

 

そうなると、日本にいる外国人の上位20位の出身国・地域の公用語に対応するだけでも、17言語を翻訳できる十分な人手が必要になります。

 

上位20位の公用語にはスリランカシンハラ語/タミル語や、バングラデシュベンガル語など、日本での知名度が低い言語もあります。

 

このような言語を翻訳できる話者が多くない現状を踏まえると、

多言語で分かりやすい情報を提供し続けられることは見込めません。

 

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3.どんな考えか

 

やさしい日本語」とは、

 

日本で安心して生活するために最低限必要な日本語のことをいいます。



ところで、日本は子どもの権利条約を批准しているので、外国人を含めたすべての子どもに公的費用で義務教育を保障しなければなりません。(第28条第1項参照)

 

しかし、現在の日本では、

外国籍の子どもたちは義務教育の対象ではありません

 

日本の現状の教育環境は、彼らが日本で安心して生活するために最低限必要な日本語を習得しやすい環境でしょうか?

 

「やさしい日本語」は、日本語が苦手な人と日本語母語話者との間の「言語の壁」を取り払ってくれます。



もし幼少期から「やさしい日本語」に触れることが日本で当たり前になっていたら、日本語が苦手な人の多くが「やさしい日本語」で日本語母語話者と何ら変わることなく日本で生活できます。

 

「やさしい日本語」には、どんな人でも対等に生きていける基盤となる可能性があるということです!




また、1.この考えの成立背景 でも言及したように、日本では英語は共通言語にはなりにくいという現状は、もちろん日本の地域社会でも同じです。

 

地域社会は日常生活に密着しているので、地域社会におけるコミュニケーションは特に重要になります。

 

地域社会において「やさしい日本語」が共通言語になるとはどういうことでしょう?

 

それは、地域社会における対等な市民として交流しやすくなるということです。

 

「やさしい日本語」でコミュニケーションすることによって、日本語母語話者が無意識に外国人を日本語能力で判断してしまうことがなくなっていくかもしれません!

 

 

さらにやさしい日本語でのコミュニケーションでは、国籍に関係なくすべての人が母語で言えることを伝えやすくなるかもしれません。

 

外国人が日本に滞在する目的は、日本語学習や日本企業での労働など様々で、すべての外国人が日本語学習に十分に時間を割けるわけではありません

 

しかし、やさしい日本語には習得しやすい理由があります。

 

それは、

 

日本で安心して生活するために最低限必要な項目に絞られている!

独自の学習シラバスがある!

 

ということです。

 

したがって、

日本語学習に十分な時間をかけない外国人でも、

やさしい日本語を

聞いて理解するだけでなく自分の意思を発信することは、

従来の日本語よりも負担が軽くなると言われています。

 

どんな滞在目的の外国人に対してもやさしい日本語を徹底することで、彼らは自分の意見も言いやすくなるので、日本で安心して生活できるようになります。



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4.実際の「やさしい日本語」

 

ここまでの流れを踏まえて、

 

実際の「やさしい日本語」気になりませんか?



NHKの News Web Easy というサービスがあります。

 

NHKのこのサービスは、「やさしい日本語」でニュースを書いています。



ここで News Web Easy の記事を一部引用してみます。

 

原文との違いにぜひ注目してください。

 

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[やさしい日本語のニュース]では、

 

情報が取捨選択されている

事実を分かりやすく伝えようとしている

 

ことが分かります。




また、「やさしい日本語」のコツについて、愛知県が分かりやすくまとめた資料を公開しているので参考にしてください。

 

愛知県の「『やさしい日本語』の手引き」はこちら→

http://www.pref.aichi.jp/kokusai/easyjapanese/tebiki.pdf

 

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いかがでしたか?



今回のブログでは



やさしい日本語



をテーマに、

 

1.「易しい」「優しい」とは?

 

2.この考えの成立背景

 

3.どんな考えか

 

4.実際の「やさしい日本語」



についてお伝えしました。

 

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